ひと目でわかる、有利な民間&公的融資の目次


公的融資ならば無利子~2.5%以内の金利でお金が借りられることを知っておこう

生活に困って、お金を借りたいと思ったとき、ぱっと浮かぶのは、消費者金融や、クレジットカードのキャッシング、銀行のカードローンなどです。こういったものは急な出費や、どうしても買いたいものがあるなど、「一時的にお金が必要」な場合にはベンリです。必要なときに至急お金を借りることができるというメリットがあります。

けれど、デメリットとして金利が高いです。そのため、生活費に困っているなど「継続してお金が足りない」状況で借りてしまうのは非常に危険。返済し切れないうちにまたお金がなくなってしまって、別のところから借りて……といった典型的な多重債務のパターンにハマってしまいます。

生活に困っている場合は、行政で用意されている公的な融資制度をまず検討しましょう。公的な制度は、民間のローン・キャッシングと比べて圧倒的に金利が有利です。

地域ごとに、実施されている制度があることもありますが、どの地域でも利用できるものとして、「生活福祉資金貸付」制度があります。

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付は、お金がなくて困っている世帯が経済的に自立できるようサポートするための制度です。社会福祉協議会によって運営されています。社会福祉協議会とは、それ自体は民間団体ですが、法律にもとづいて設立されている、民間の福祉を充実させるための機関です。実質的には公的なものだと考えていいでしょう。

生活福祉資金貸付にはいくつか種類がありますが、収入が少ないので生活費に困っているという場合は「総合支援資金」という制度を利用します

制度 生活福祉資金貸付(総合支援資金)
窓口 社会福祉協議会
用途 生活費全般
貸付限度額 単身世帯:月額15万円以内
2人以上:月額20万円以内
×最長12ヶ月ぶん
金利 1.5%(保証人がいる場合は無利子)
返済期間 原則必要/なくても可
保証人 最終貸付の日から6ヶ月以内を据置期間として、その後20年以内
条件 低所得者世帯(市町村民税が非課税になる程度)で、ほかの公的支援を受給していないこと。

消費者金融の金利が5~18%くらいのところ、この制度だと1.5%ですから(保証人がいれば無利子!)、利用できるなら絶対このほうがいいですよね。

この制度でお金を借りるには、社会福祉協議会に申し込んで、審査を受けます。この場合の審査は、キャッシングの場合のように、本当に返済できるか、というよりも(それも審査対象には含まれていると思いますが)、本当にこの制度の対象とすべき世帯かどうか、を審査するもののようです。福祉の制度ですからね。

社会福祉協議会は各都道府県にありますので、住んでいる地域で申し込みます。

※全国社会福祉協議会一覧

http://www.shakyo.or.jp/links/kenshakyo.html

なお、審査には1~2週間程度かかります。キャシングのように即日というわけにはいきませんので、早めに相談を。また、この制度はただお金を貸してくれるだけではなく、生活を建て直すための相談にものってくれます。というか、相談を受けることを前提にしたもので、お金さえ手に入ればいいという考えでは利用できません。今、お金がなくて困っているけど、なんとかしていきたい、と真面目に考えている人のためのものです。

条件的に、利用しやすく、生活費に困っている人向けということで趣旨にも合っていますから、まずはこの制度が利用できないか、あたってみて下さい。

授業料無料で職業訓練を受けながら、月額10万円が給付される「求職者支援制度」

生活福祉資金貸付は、働いていないため収入がないなど、返済の見込みがない場合は貸してもらうことができません。その場合は、まず仕事を見つけるのが先決というわけです。

とはいえなかなか仕事がない……という人も多いと思います。そこで「求職者支援制度」というものが厚生労働省で運営されています。これは雇用保険を受給できない人を対象に、就職のためのスキルを身に着ける講座を無料で受講できるというものですが、この制度で講座を受講していて、かつ、収入が少ない人は月額10万円の手当を受け取れます。

これは手当であって、貸付ではないので、返済しなくて構いません。

制度 職業訓練受講給付金
窓口 ハローワーク
用途 生活費全般、受講のための交通費
貸付限度額 月額10万円
+所定の交通費(上限あり)
金利 なし
返済期間 返済の必要なし
保証人 不要
条件 本人収入が月8万円以下など、収入・資産に関する諸々の条件のほか、受講する講座に一定以上出席しているなどの条件あり。

これは職業訓練を受講することが前提の制度で、受講のためにはハローワークで申し込んで認められる必要があります。受講中・後は、ハローワークで相談を受けながら求職活動もしなければいけませんので、ただ単にお金目当てではダメです。

この制度は私の母親も失業した時に利用したことがあり、基礎的なパソコンスキルの授業を無料で受けながら、お金ももらうことができた大変ありがたい制度です。

また、月10万円のこの給付では足りないという人のために「求職者支援資金融資」という、貸付の制度も別にあります。月額5~10万が上限の、少額の融資ですが、消費者金融を利用するよりはずっといいので、利用できる場合は検討してみるべきでしょう。

制度 求職者支援資金融資
窓口 ハローワーク (融資は労働金庫から)
用途 生活費全般、受講のための交通費
貸付限度額 同居の配偶者あり:月額10万円×受講予定訓練月数
同居の配偶者なし:月額5万円×受講予定訓練月数
金利 2.5%
返済期間 訓練終了までは利息のみ返済。その後は元利均等で返済。返済期間は融資時に決定。
保証人 不要
条件 職業訓練受講給付金を支給されていること。

年金生活なのにまとまったお金が必要になった場合は、「年金担保貸付制度」

年金を受け取って暮している人が、すぐには用意できない大金が必要になっても、すでに働いていない人が多いでしょうから、お金を借りるのは難しいです。そんなとき、年金を担保としてお金を借りられる制度があります。独立行政法人医療福祉機構が運営している「年金担保貸付」制度です。返済に受け取る年金の一部をあてることになります。

制度 年金担保貸付
窓口 独立行政法人医療福祉機構(申込は金融機関を通じて行う※)
用途 自由
貸付限度額 ・10万円~250万円の範囲内(1万円単位)
・受給している年金額(年額)の1.2倍以内
・1回あたりの返済額の15倍以内
金利 1.6%
返済期間 おおむね2年6カ月以内
保証人 必要
条件 厚生年金・国民年金などを受給している人。

このように、年金を担保にお金を貸すことを許されているのは独立行政法人医療福祉機構だけです

それ以外に「年金を担保に融資する」と称しているところはすべて違法な業者ですので、十分、注意して下さい。

※年金担保貸付の窓口になっている金融機関一覧

http://hp.wam.go.jp/nenkin/nenkin/tabid/253/Default.aspx

年金担保貸付は、厚生年金・国民年金を担保とする制度です。公務員だったなどで、恩給や共済年金を受け取っている人は、日本政策金融公庫が運営している「恩給・共済年金融資」という同じような制度を利用できます。

制度 恩給・共済年金融資
窓口 日本政策金融公庫
用途 自由
貸付限度額 250万円以内 ただし恩給や共済年金などの年額の3年分以内
金利 1.25%(担保が恩給)
2.25%(担保が共済年金)
返済期間 恩給や共済年金を返済金として完済するまで公庫が受け取る
保証人 必要
条件 恩給、共済年金、災害補償年金などを受給している人。

こちらも、日本政策金融公庫以外の機関はこのような貸付は法律で認められていません。

※日本政策金融公庫の店舗一覧
http://www.jfc.go.jp/branch/index.html

余談ですが、自分の資産を担保に入れてお金を借りる方法としては、生命保険の「契約者貸付」というものも存在します。これは自分が加入している保険の解約返戻金(解約時に払い戻されるお金)の70~90%の範囲内で保険会社がお金を貸してくれる制度になります。

貸付利率は保険会社や保険の種類などによって変わってきます。例えば第一生命の公式サイトによると、「平成11年4月2日以後加入の契約」 での貸付利率は年3.00%となっています。

http://www.dai-ichi-life.co.jp/contractor/procedure/flow/loan/contractor/

公的融資よりは安くないですがこちらもキャッシング・カードローンなどよりは安いので選択肢の1つとして考えておいても良いと思います。

本当に生活に困ったときの最終手段「生活保護」

ここまで紹介してきたいずれの制度も条件にあてはまらない・利用できない、住んでいる地域の制度を調べてみても利用できそうなものがない……そんな場合は、最後の手段として生活保護があります。

生活保護にはあまり良いイメージを持っていない人も多いかもしれませんが、ここまでの制度のいずれも利用できず、かつ、お金がなくて暮らしに困っている人がいれば、生活保護はまさにそんな人のためのものです。生活保護は貸付ではないので、お金は返さなくて構いません。

制度 生活保護
窓口 福祉事務所
用途 生活費
貸付限度額 国が定める最低生活費
金利 なし
返済期間 返済の必要なし
保証人 不要
条件 収入が国が定める最低生活費に満たないなどの条件を満たすこと。

まず、生活保護は国で決まっている「最低生活費」より収入が少ない場合、利用できます。最低生活費は住んでいる場所によって違っています。

※最低生活費の計算方法(PDF)

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/dl/seikatuhogo03.pdf

※根拠となる「級地」を確認(PDF)

 http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/dl/seikatuhogo02.pdf?

申込みは、地域の福祉事務所で行います。

※全国の福祉事務所一覧

http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/fukusijimusyo-ichiran.html

なお、今現在、借金がある人は生活保護を受けられません。その場合、まずは債務整理なを検討したほうがいいでしょう。

どの制度も使えない人のための「民間融資」※無利息を活用

ここではじめて、民間融資(キャッシング)を検討しましょう。担保や保証人は必要ないので、公的融資に比べると借りるハードルは格段に低くなります。

先にも書いた通り、公的融資に比べると金利が高くなりますが一定期間であれば無利息で借りられる会社もあります。

※無利息で借りられる期間のある会社一覧

会社名 無利息期間 実質年率 審査期間 限度額
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス) 30日間
※メールアドレス登録とWeb明細利用の登録が必要
4.5~17.8% 最短30分 1~500万円
ノーローン 1週間 4.9~18.0% 最短20分 ~300万円
新生銀行カードローン レイク 30日間 or 5万円まで180日間 4.5%~18.0% - ~500万円

上手に使えば金利が必要ないため、上記は民間融資としては非常に有利です。

現在は銀行の傘下に入っていて安心して借りることはできますが、だからこそ自制心は必要です。

これは民間融資・公的融資の両方に言えることですが、借りられるからといって多く借りてしまうと、人間というものは不思議と無駄遣いをしてしまうものです。

少額でもしっかりと返済すれば、それが自分の信用になり、次にお金が必要になったときも便利です。

本当に必要な金額だけ、返せる範囲で借りることが「お金の上手な借り方」だと、忘れないでください。


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